新潟のお酒って、呑みやすいですよね。
ボクの周囲でも、結構、新潟の酒が好き!な方、多いです。
ただ・・・年配な方々が結構、口にするのが・・・
「新潟は米処だから酒も美味いんだよ!」
そういうジジイ年配の方に限って、断定的に上からモノを言ってきて、イラっとさせられることも少なくありませんが・・・
そもそも日本酒に使われるお米と、普段食べているお米の品種が違います。
普段食べているお米の品種は何ですか?
こしひかり?つや姫?あきたこまち?ひとめぼれ?はえぬき?きぬひかり?ゆめぴりか?夢ごこち?森のクマさん?ササニシキ?
これらのお米で醸造されているお酒もあることはあるのですが、酒造りに向いているとされるお米の品種は違います。
日本酒に使われるお米(酒米)で最高峰とされる山田錦や、五百万石、近年人気の雄町、美山錦などなど・・・とんでもなく多くの酒米の品種があります。中でも山田錦がダントツで多く栽培されているのですが、このお米、主な産地は西日本です。
五百万石という品種は、新潟県が作り出したお米で、主要な産地も新潟県です。
とまぁ・・・五百万石があるから新潟は酒米でも米処!と言えなくはないのですが、酒米の代表的な品種である山田錦の主要産地は兵庫県、福岡県等といった西日本エリアなのです。
では・・・新潟のお酒が美味いお酒と言われるのはなぜなのでしょう?
その理由は一つだけではないと思います。
もちろん、水質の良さ、気候、人・・・などなどがあるかと思いますが・・・
ここにもStoryがあります。
かつて、日本酒は木樽によって醸造されていました。
昭和の初期、現在も酒造の一大エリアである兵庫県・灘において、琺瑯タンクの製造をしようとしていた人がいました。
しかし、当時、技術が確立させておらず、難航を極め、資金的に行き詰まりを迎えます。
木樽による酒造は、衛生状態の維持が難しく、腐造(ふぞう)といって、雑菌が繁殖してしまい、一樽まるごとお酒にならないという状態になってしまうことがありました。
琺瑯タンクは、腐造を防ぎ、酒質の向上も見込めるという期待があったものの、この琺瑯タンクの製造に出資したのは、灘の酒蔵ではなく、新潟の酒蔵(朝日酒造、君の井酒造、新潟銘醸)だったのです。
こうして、新潟県では全国に先駆け琺瑯タンクの導入をした蔵元では、その酒質が高まり、人気を博していきます。
新潟の酒が美味い。
そこには、こんなStoryもあったのです。
さて、近年・・・というより、今までずっとですが・・・日本における米の品種改良はすさまじく、毎年、米の新品種が登場しています。酒米においても、その傾向は強く、新品種の酒米が続々と登場しています。
出羽燦々、出羽の里、吟ぎんが等々・・・続々と新しい酒米が東北地方においても誕生しています。 食用米の米処が、酒米でも米処となる日も近いのかもしれませんね。