米にこだわる蔵元
龍力(たつりき)醸造元『本田商店』さんは、姫路からJRで15分ほどの網干駅から徒歩5分ほどの場所にあります。近くには播磨五川の一つ揖保川がながれ、酒米の中でも最高の評価を得ている山田錦の産地に近く、「良い酒は良いお米から」を追求している蔵元です。
その証に、仕込みに使われている米全量が酒造好適米。
本当に「米」にこだわっている蔵元です。
特に「山田錦」は全量が「兵庫県特A地区産」。
大吟醸から本醸造に至るまで、「山田錦」は「兵庫県特A地区産」です。
米へのこだわりは、栽培されなくなったお米の復活にも注がれています。
山田錦の母親品種にあたる「山田穂」。そして、「神力」。
二つの品種のお米の復活に注力し、醸造していて、お米違いの味わいも楽しめます。
龍力のルーツは播州杜氏
播州杜氏総取締役として酒造りをしていた「本田家」が脈々とつながり現在に至っています。
蔵元自身が杜氏の血筋ということもあるのか、造りにもこだわりが。質を求め、大吟醸の造りにこだわり続けています。
そのこだわりを支え、具現化している南部杜氏『藤原光雄』氏。
南部杜氏は最大の杜氏集団であり、吟醸酒造りの高い技術には定評のある杜氏です。
特A地区産???
「兵庫県特A地区産」と言われてもピンとこないですよね。
「山田錦」って、食用米よりもはるかに高値で取引されています。
栽培するのにすごく手間がかかったり、難しかったりするからなのですが、そのためか収穫地として特A地区、A地区、B地区、C地区と分類されています。そのなかで超優良地域とされるのが特A地区(加東市、三木市吉川町)。そこで生産された山田錦が「特A地区産」とされます。
要は極々一部のすっごく良いお米ということです。
そして・・・このレベルのお米は鑑評会出品用だとか、大吟醸、純米大吟醸などに使われるレベルなのですが、龍力のワンカップ酒に使われている麹米の山田錦も「兵庫県特A地区産」(掛け米は五百万石)なのです。もっとも、ワンカップ酒は地元還元のため、地元でしか販売されていません。姫路近辺へ立ち寄った際には、是非、探してみてください。(ちなみに、2019年3月時点で本田商店さんの最寄り駅「網干駅」構内のセブンイレブンでは販売されていました。ついでにいえば、酒粕がでる時期はここのセブンイレブンで龍力の酒粕も購入できるそうです。)
お米にもテロワール
ワインのブドウ栽培にテロワールというものがあります。ブドウの生育のための土壌、気候、地形などなどを全てひっくるめた概念なのですが、木でもあり、毎年実をつけるブドウと、毎年種から生育する一年草の稲とは異なる点が多くあるものの、「米のテロワールはある」との理念から、田圃の土壌等の研究を独自でされていました。
ただでさえ特A地区という質の高い山田錦の生産ができる地で、さらにこだわり、上質の酒米を求める・・・そんな蔵元です。
龍力のお酒
龍力のお酒のラインナップは豊富です。
是非、呑んで欲しいのは
「大吟醸 米のささやき」
YK40とYK35の二種類あるのですが、これはY:山田錦、K:協会9号系酵母、40:40%精米、35:35%精米 という意味で、精米度合いの違いがありますが、まさに王道の大吟醸というお酒です。大吟醸って呑んだことないよって方に呑んでみて欲しいなぁと思います。
大吟醸って、薫りがすごく甘く華やかなので、料理と合わせづらいと思われがちなのですが、意外とフレンチやイタリアンといった洋食、脂の多い料理と合わせてみてください。
これが・・・意外な発見がありますよ。
しぼりたて生・特別純米「山田錦」「雄町」「山田穂」「神力」
お米違いでの味わいを楽しむには絶好の組み合わせです。どれもしぼりたて生原酒なので、味わいは濃厚で、アルコール度数も高めですが、米の特徴を愉しむことができます。
こちらは、春限定のお酒になります。
他にも、最高級品の「秋津」、新しい龍力ともいえる「龍力・大吟醸・Episode1青ラベル」などなど・・・大吟醸を中心に多くのお酒があります。
是非、その味わいを呑み比べてみてください。